ヤマハの SWX シリーズのスイッチや RTX シリーズのルーターで 10G の光接続を組むとき、純正の選択肢は「YSFP-10G-SR」と「YSFP-10G-LR」の2つです。仕様と対応機種、そして「他社製のモジュールは使えるのか」を、ヤマハが公式サイトで公開している情報をもとに整理します。
| 項目 | YSFP-10G-SR | YSFP-10G-LR |
|---|---|---|
| 適合規格 | IEEE802.3ae 10GBASE-SR | IEEE802.3ae 10GBASE-LR |
| 光波長 | 850nm | 1310nm |
| ファイバ | マルチモード(50/125μm、62.5/125μm) | シングルモード(9/125μm) |
| 最大伝送距離 | OM1:33m / OM2:82m OM3:300m / OM4:400m | 10km |
| コネクタ | 2芯 LC | 2芯 LC |
| 送信光出力 | −7.3〜−1dBm | −8.2〜+0.5dBm |
| 最小受信感度 | −11.1dBm | −12.6dBm |
| 動作環境 | 0〜50℃ / 15〜85%(結露しないこと) | 0〜50℃ / 15〜85%(結露しないこと) |
| 最大消費電力 | 0.99W | 0.99W |
| 希望小売価格(税込) | 85,800円 | 160,600円 |
| 発売 | 2018年3月 | 2018年3月 |
出典:ヤマハ公式サイトの製品ページ・取扱説明書(価格は2026年10月時点)
マルチモードの到達距離は、ファイバの世代で大きく変わります。古い建物に多い OM1・OM2 では 33m・82m までしか届かないため、まず既設ファイバの種別を確認します(光ファイバの選び方)。SR と LR の選び分けは「10GBASE-SR と LR の違い」で解説しています。
ヤマハはスイッチの FAQ で、推奨するモジュールとして次の6型番を挙げています。
| 速度 | 型番 | 規格 | 最大伝送距離 | 希望小売価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| 1G(SFP) | YSFP-G-SXA | 1000BASE-SX(850nm) | 550m(50/125μm) 300m(62.5/125μm) | 44,000円 |
| 1G(SFP) | YSFP-G-LXA | 1000BASE-LX(1310nm) | 10km(シングルモード) | 99,000円 |
| 10G(SFP+) | YSFP-10G-SR | 10GBASE-SR(850nm) | 300m(OM3)/ 400m(OM4) | 85,800円 |
| 10G(SFP+) | YSFP-10G-LR | 10GBASE-LR(1310nm) | 10km(シングルモード) | 160,600円 |
| 25G(SFP28) | YSFP-25G-SR | 25GBASE-SR(850nm) | 70m(OM3)/ 100m(OM4) | 132,000円 |
| 25G(SFP28) | YSFP-25G-LR | 25GBASE-LR | 10km(シングルモード) | 220,000円 |
25G の2型番は 2025年12月の発売で、対応機種は SWX3220-30TCs など4機種です。ラック内で機器同士をつなぐダイレクトアタッチケーブル(DAC)としては、YDAC-10G-1M と YDAC-10G-3M が FAQ に記載されています。
ヤマハの公式サイトでは、モジュールごとに対応機種を公開しています。1G・10G・25G の一覧を突き合わせると、使える SFP 系モジュールの速度で、機種は3つのグループに分かれます。
注意したいのは SWX3100-10G・SWX2310-10G・SWX2310P-10G です。型番に「10G」と付いていますが、YSFP-10G-SR / LR の対応機種には含まれていません。10G の光モジュールを手配する前に、装着先が「SFP+(10G)まで」か「SFP28(25G)まで」のグループに入っているかを確認してください。
なお、SWX2310-18GT / 28GT / 52GT のスタートアップガイドでは、SFP+ ポートの対応モジュールとして、YSFP-10G-SR / LR に加えて 1G の YSFP-G-SXA / LXA も記載されています。
ヤマハのスイッチ FAQ には「他社の SFP/SFP+/SFP28/QSFP28 モジュールを使用できますか?」という項目があります。回答のポイントは次の2つです。
・「各規格に準拠したものであれば使用できます」
・他社製品を使用する場合は「動作保証外となります」
— ヤマハ ネットワークスイッチ FAQ「他社の SFP/SFP+/SFP28/QSFP28 モジュールを使用できますか?」より
規格に準拠した互換モジュールであれば装着して使えますが、その組み合わせはヤマハの動作保証の対象外になる、ということです。互換モジュールを選ぶときは、次の3点を確認します。
サポートの窓口も整理しておきます。ヤマハの動作保証の対象外になる以上、モジュール本体の不具合は、そのモジュールの販売元の保証で対応するのが一般的です。
SWX2310 などのコマンドリファレンスには、SFP モジュールの状態を表示する show ddm status が載っています。温度・電圧・バイアス電流・送信光パワー・受信光パワーを、警告とアラームのしきい値(上限・下限)とあわせて表示するコマンドです。
コマンドリファレンスの表示例には、すべての欄が「Unsupported」となっているポートもあります。DDM に対応したモジュールなら、受信光パワーの低下や温度の上昇を数値で追えるので、障害の予兆をつかみやすくなります。しきい値の見方は「DDM活用入門」で解説しています。
VREN の 10GBASE-SR・10GBASE-LR は IEEE 802.3ae 準拠・DDM 対応で、動作温度は 0〜70℃(製品仕様)です。モジュール本体には5年保証が付き、不具合時は先行交換で対応します(保証・RMA)。
装着先の機種名とファームウェアのバージョンをお知らせいただければ、適合を確認してご案内します。評価用サンプルは無料です。
どちらも 10GBASE-SR(IEEE802.3ae)準拠なので、規格上は対向接続できます。ヤマハ機と Cisco 機をマルチモードファイバで結ぶ構成です。それぞれの機器には、その機器で使えるモジュールを挿します。
SWX2310-18GT / 28GT / 52GT のスタートアップガイドでは、SFP+ ポートの対応モジュールとして 1G の YSFP-G-SXA / LXA も記載されています。ほかの機種は、それぞれのマニュアルで確認してください。
ヤマハの FAQ では、データ通信にも使えるとされ、YDAC-10G-3M・YDAC-10G-1M が挙げられています。DAC で接続する場合は、機器同士のアースを同電位にするよう注意書きがあります。
既設ファイバがマルチモードなら SR(OM3 で 300m まで)、シングルモードなら LR(10km まで)です。建物内の配線はマルチモード、建物間や長い幹線はシングルモードが一般的です。