アライドテレシス AT-SP10SR の仕様と対応機種 — 10G SFP+ が使えない機種と互換モジュールの注意点

2026.10.12|選定ガイド|潤徳商事株式会社

アライドテレシスのスイッチで 10G の光接続を組むとき、マルチモードファイバ用の純正モジュールは AT-SP10SR です。仕様と価格、どの機種で使えるか、そして 10G のモジュールが使えない機種はどれか。同社が公開している製品ページ・インストレーションガイド・モジュール対応表をもとに整理します。

結論

  • AT-SP10SR は IEEE 802.3ae 10GBASE-SR 準拠の SFP+ モジュールです。中心波長 850nm のマルチモードファイバ用で、2000MHz·km のファイバ(OM3 相当)で 300m まで届きます。
  • 動作温度は 0〜70℃、最大消費電力は 1.1W。標準価格は 110,000円(税込 121,000円)です。
  • モジュール対応表では、x230・x230L・SH230・GS950 シリーズなど、AT-SP10SR が × の機種があります。10G を使う予定があるなら、先に装着先を確認します。
  • 2025年11月更新のモジュール対応表に載っている 10G の LR は、AT-SP10LRa/I(シングルモードで最長 10km、85℃ までの高温に対応)です。

AT-SP10SR の仕様

インストレーションガイド(AT-SP10SR / AT-SP10LR 共通)に記載されている主な仕様です。

項目AT-SP10SRAT-SP10LR
規格IEEE 802.3ae 10GBASE-SRIEEE 802.3ae 10GBASE-LR
中心波長850nm1310nm
ファイバマルチモード(GI62.5/125・GI50/125)シングルモード
最大伝送距離300m(2000MHz·km)10km
コネクタ2連 LC2連 LC
送信レベル最小 −7.3dBm−8.2〜+0.5dBm
受信レベル−9.9〜−1.0dBm−14.4〜+0.5dBm
最大消費電力1.1W1.4W
動作温度0〜70℃0〜70℃
保管温度−40〜85℃−40〜85℃

出典:アライドテレシス「AT-SP10SR/AT-SP10LR インストレーションガイド」

マルチモードの到達距離は、ファイバのモード帯域で変わります。ガイドの距離表は次のとおりで、OM1 相当の古いファイバでは 33m までしか届きません。記載の距離は、同じ製品を両端で使った場合の値と注記されています。

ファイバのモード帯域最大伝送距離
160MHz·km26m
200MHz·km(OM1 相当)33m
400MHz·km66m
500MHz·km(OM2 相当)82m
2000MHz·km(OM3 相当)300m

既設ファイバの種別の見分け方は「光ファイバの選び方」で解説しています。

品番と価格

同じ AT-SP10SR でも、販売区分によって品番が分かれています(標準価格、同社製品ページより)。

区分品番標準価格(税抜)税込
製品型番0766R110,000円121,000円
保守型番 Z50766RZ5126,500円139,150円
保守型番 Z70766RZ7139,700円153,670円
アカデミック型番 N50766RN5110,000円121,000円
アカデミック型番 N70766RN7123,200円135,520円

同社製品ページの説明では、保守型番(Z5・Z7)はデリバリースタンダード保守 5年/7年付きの保守バンドル品番、アカデミック型番(N5・N7)は文教ユーザー向けに保守付き製品を特別価格で提供する品番です。保守型番 Z1(0766RZ1)は販売終了と表示されています。

使える機種・使えない機種

アライドテレシスは、どのモジュールをどの機種に装着できるかを「モジュール対応表」で公開しています。2025年11月25日更新版の AT-SP10SR の欄は、次のように分かれます。

アライドテレシスのモジュール対応表で AT-SP10SR が ○ の機種と × の機種をシリーズ別にまとめた早見表。x930・x530・x330・GS980MX などは ○、x230・x230L・SH230・GS950 などは ×
図:AT-SP10SR を装着できる機種・できない機種(アライドテレシス「モジュール対応表」2025/11/25 更新版より作成)

AT-SP10SR が使える機種(対応表で ○)

  • アドバンスト レイヤー3:AT-SBx81XLEM/XS8、AT-XEM3-12YS、AT-XEM2-12XS v2、AT-XEM2-8XSTm、AT-x950-28XSQ、AT-x950-52XSQ、AT-x930-28GTX、AT-x930-52GTX、AT-x930-28GSTX、AT-x930-28GPX、AT-x930-52GPX
  • レイヤー3:AT-x550-18XSPQm、AT-x530-28GTXm、AT-x530-52GTXm、AT-x530-28GPXm、AT-x530-52GPXm、AT-x530-10GHXm、AT-x530-18GHXm、AT-x530-28GSX、AT-x530DP-28GHXm、AT-x530DP-52GHXm、AT-x540L-28XTm、AT-x540L-28XHm、AT-x540L-28XS、AT-x530L-10GHXm、AT-x530L-18GHXm、AT-x530L-28GTX、AT-x530L-52GTX、AT-x530L-28GPX、AT-x530L-52GPX、AT-x330-10GTX、AT-x330-20GTX、AT-x330-28GTX、AT-x330-52GTX、AT-SE540L-28XTm、AT-SE540L-28XS、AT-GS980MX/10HSm、AT-GS980MX/18HSm、AT-GS980MX/28、AT-GS980MX/28PSm、AT-GS980MX/52PSm、AT-GS980MX/52、AT-GS970EMX/10、AT-GS970EMX/20、AT-GS970EMX/28、AT-GS970EMX/52
  • レイヤー2 インテリジェント:AT-x250-18XTm、AT-x250-28XTm、AT-x250-18XS、AT-x250-28XS、AT-x240-10GTXm、AT-x240-26GTXm、AT-x240-10GHXm、AT-x240-26GHXm、AT-SE250-28XTm、AT-SE250-28XHm、AT-SE250-18XS、AT-SE240-10GTXm、AT-SE240-26GTXm、AT-SE240-10GHXm、AT-SE240-26GHXm
  • レイヤー2:AT-GS910/10XST、AT-GS910/18XST、AT-GS910/26XST(動作保証温度は 0〜45℃ との注記あり)
  • 産業用スイッチ:AT-IE220-6GHX、AT-IE220-10GHX

AT-SP10SR が使えない機種(対応表で ×)

  • レイヤー2 インテリジェント:AT-x230-10GT、AT-x230-18GT、AT-x230-28GT、AT-x230-52GT、AT-x230-10GP、AT-x230-18GP、AT-x230-28GP、AT-x230-52GP、AT-x230L-17GT、AT-x230L-26GT、AT-SH230-10GT、AT-SH230-18GT、AT-SH230-28GT、AT-SH230-10GP、AT-SH230-18GP、AT-SH230-28GP、AT-GS980M/52、AT-GS980M/52PS
  • レイヤー2:AT-GS950/16、AT-GS950/24、AT-GS950/48、AT-GS950/10PS V2、AT-GS950/18PS V2、AT-GS950/28PS V2、AT-GS950/52PS V2、AT-GS950/10 V2、AT-GS950/52 V2
  • レイヤー3:AT-x550-18XTQ、AT-x320-10GH、AT-x320-11GPT、AT-GS980EM/10H、AT-GS980EM/11PT
  • アドバンスト レイヤー3:AT-SBx81GS24a、AT-SBx81XLEM、AT-SBx81XLEM/Q2、AT-XEM3-8CQ、AT-XEM3-2DQ、AT-XEM2-4QS、AT-XEM2-1CQ、AT-x950-28XTQm、AT-x950-52XTQm、AT-StackQS
  • 産業用スイッチ:AT-IE340-12GT、AT-IE340-12GP、AT-IE340L-18GP、AT-IE340-20GP、AT-IE200-6GP、AT-IE210L-10GP、AT-IE210L-18GP

x230・x230L・SH230・GS950 シリーズは、対応表で AT-SP10SR が × になっています。10G の光モジュールを手配する前に、装着先がどちらの一覧に入るかを確認してください。拡張モジュールを搭載して使う機種での扱いや、最新の対応状況は、同社サイトの対応表と同社への確認が確実です。

10G の LR は AT-SP10LRa/I

シングルモードファイバで最長 10km をつなぐ LR は、2025年11月更新のモジュール対応表では AT-SP10LRa/I が載っています。製品ページでは「85℃までの高温の使用に対応」とされ、標準価格は 330,000円(税込 363,000円)です。上の仕様表の AT-SP10LR は、インストレーションガイドに記載のある型番です。

対応表で x230・GS950 シリーズなどが × になっている点は、AT-SP10LRa/I も同じです。

他社製モジュールを使う場合の考え方

アライドテレシスの資料では、AT-SP10SR は同社のネットワーク製品に装着して使うモジュールとして案内されており、モジュール対応表も同社製モジュールと同社製品の組み合わせで作られています。

互換品を装着した機器の保守上の扱いは、契約内容によって異なる場合があります。保守サービス付きで運用している機器に互換品を挿す場合は、事前に販売店や保守窓口に確認しておくのが確実です。

装着したモジュールの情報は、AlliedWare Plus の show system pluggable で確認できます。AT-DC2552XS のコマンドリファレンスでは、ベンダー名・製品名・シリアル番号・製造年月日・種別を表示し、detail を付けると波長やファイバ種別ごとの項目も表示されると説明されています。互換品の場合も、まずここに情報が正しく出るかを確認します。

VREN の 10G モジュールをアライドテレシス機で使う場合

VREN の 10GBASE-SR・10GBASE-LR は IEEE 802.3ae 準拠・DDM 対応で、動作温度は 0〜70℃(製品仕様)です。製品ページの対応表にあるとおり、アライドテレシス機向けのコーディング(AT-SP10SR / AT-SP10LR 互換)でもご用意できます。なお、AT-SP10LRa/I は 85℃ までの高温に対応しますが、VREN の LR の動作温度は 0〜70℃ です。モジュール本体には5年保証が付き、不具合時は先行交換で対応します(保証・RMA)。

装着先の機種名と AlliedWare Plus のバージョンをお知らせいただければ、適合を確認してご案内します。評価用サンプルは無料です。ヤマハ機の場合は「ヤマハ YSFP-10G-SR / YSFP-10G-LR の仕様と対応機種」をご覧ください。

よくある質問

AT-SP10SR と Cisco の SFP-10G-SR は対向でつなげる?

どちらも IEEE 802.3ae の 10GBASE-SR なので、規格上は対向接続できます。ただ、インストレーションガイドの距離は同じ製品を両端で使った場合の値とされているため、距離に余裕のない構成ではリンクバジェットで確認します。

x230 シリーズで AT-SP10SR は使える?

モジュール対応表では、AT-x230 シリーズの AT-SP10SR は × です。10G の光接続が必要な場合は、対応表で ○ になっている機種を選びます。

OM4 なら 400m まで届く?

製品ページの簡易仕様には「最長400m」とありますが、インストレーションガイドの距離表は 2000MHz·km(OM3 相当)で 300m までです。300m を超える場合は事前に同社に確認するか、シングルモードと LR を検討します。

まとめ

  • AT-SP10SR は 10GBASE-SR(850nm・マルチモード)。2000MHz·km(OM3 相当)で 300m、0〜70℃、最大 1.1W、標準価格 110,000円(税込 121,000円)。
  • モジュール対応表で x230・x230L・SH230・GS950 シリーズなどは ×。手配する前に装着先を確認する。
  • 10G の LR は、現行の対応表では AT-SP10LRa/I(標準価格 330,000円)。
  • 互換品を使う場合は保守条件を確認し、show system pluggable でモジュール情報が正しく出るかを確かめる。

参考資料

本記事はアライドテレシス株式会社が公式サイトで公開している製品情報・インストレーションガイド・モジュール対応表(2026年10月時点)に基づく一般的な技術情報です。仕様・価格・対応機種は変更される場合があります。導入前に同社の最新情報をご確認ください。記載の社名・製品名は各社の商標です。