光ファイバの選び方 — OM3 / OM4 / OM5 とシングルモード、距離と速度で正しく選ぶ

2026.06.26|選定ガイド|潤徳商事株式会社

光トランシーバを正しく選んでも、組み合わせる光ファイバが合っていなければ、本来の性能も距離も出ません。むしろ「モジュールは合っているのにリンクが不安定」というトラブルの多くは、ファイバ側に原因があります。本稿では、マルチモードとシングルモード、そしてOM3/OM4/OM5の違いと選び方を整理します。

OM3・OM4・OM5・シングルモード各光ファイバの波長・用途・到達距離を比較した表
図:光ファイバ種別ごとの到達距離(10G時の目安)

マルチモードとシングルモード、何が違う

光ファイバは大きく2種類に分かれます。マルチモード(MMF)は太いコア(約50µm)を持ち、850nmのVCSELレーザーと組み合わせて短距離を安価に伝送します。シングルモード(SMF)は細いコア(約9µm)で、1310/1550nmのレーザーにより長距離・大容量に強い反面、光学部品のコストは上がります。短距離はMMF、長距離はSMF——これが大原則です。

マルチモードの世代:OM3 / OM4 / OM5

マルチモードには性能の異なる世代があり、ケーブル外被の色で見分けられます。

  • OM3(水色) — 850nm最適化。10Gで約300m、40G/100G(SR4)で約100m。現在のDC配線の標準的な下限。
  • OM4(水色/紫) — OM3の上位互換で到達距離が延長。10Gで約400m、40G/100Gで約150m。新規構築の主流。
  • OM5(ライムグリーン) — SWDM(短波長多重)に対応し、1本のファイバで複数波長を扱える次世代規格。将来の高速・高密度化を見込む環境向け。

OM3とOM4は相互に接続できますが、リンク全体の到達距離は低い方の世代に引っ張られます。混在させる場合は注意が必要です。

シングルモード:G.652 と G.657

シングルモードにも種類があります。G.652は最も一般的な標準SMFで、長距離リンクの定番です。G.657は曲げに強い(曲げ損失が小さい)タイプで、配線スペースが狭く急な曲げが避けられない屋内配線や成端箱まわりで威力を発揮します。長距離はG.652、取り回し重視はG.657、と覚えておくと選びやすくなります。

距離・速度別の選び方

  • ラック内〜DC内短距離(〜400m) — MMF(OM3/OM4)+ SRモジュールが最もコスト効率に優れます。
  • 将来の高速化・高密度化も視野に — OM4、または多波長対応のOM5を選んでおくと長く使えます。
  • 拠点間・メトロなど長距離(数km〜) — SMF + LR/ERモジュールが唯一の現実解。距離に応じて波長(1310/1550nm)を選びます。

コネクタの組み合わせにも注意

ファイバの種類だけでなく、コネクタ形状もモジュールと一致させる必要があります。SFP/SFP+/SFP28系は2芯のLCコネクタ(デュプレックス)、QSFPのSR4のような並列伝送は多芯のMTP/MPOコネクタを使います。モジュール・ファイバ・コネクタの3点が揃って初めて、設計どおりの性能が出ます。

VELRAの各モジュールは、対応ファイバ・コネクタ・到達距離をすべて製品ページに明記しています。お使いのファイバ種別と接続距離をお知らせいただければ、適合するモジュールをご提案します。

本記事は一般的な技術情報の提供を目的としており、特定の構成での動作を保証するものではありません。導入の際は実環境での検証をお勧めします。