Fortinet FN-TRAN-SFP+SR の仕様と、FortiGate で互換 SFP+ を使うときの「認証外」警告

2026.10.16|選定ガイド|潤徳商事株式会社

FortiGate の SFP+ スロットで 10G の光接続を組むとき、Fortinet 純正の SR モジュールは FN-TRAN-SFP+SR です。一方で、互換モジュールを挿すと GUI に警告が出ることがあり、そのまま使ってよいのか迷うところです。Fortinet のデータシート(2026年5月26日版)と、Fortinet が公開している Technical Tip をもとに整理します。

結論

  • FN-TRAN-SFP+SR は 10GBASE-SR(IEEE 802.3ae)の SFP+ モジュールです。850nm のマルチモード用、デュプレックス LC で、データシートの仕様表では OM3 で 300m、OM4 で 550m です。
  • −40〜85℃ の産業用温度が必要な場合は、FN-TRAN-SFP+SRI があります。
  • FortiGate のファームウェアには Fortinet 認証トランシーバのリストが入っていて、認証外のモジュールを挿すと GUI に警告が表示されます。
  • Fortinet の Technical Tip は、認証外でも「多くの場合はリンクが確立し通信できる」としつつ、動作は保証できず、TAC は認証品への交換を求めることがあると説明しています。

FN-TRAN-SFP+SR の仕様

データシートの仕様表(Specifications)の値です。同じ 10G の SRI・LR・LRI もあわせて載せます。

項目FN-TRAN-SFP+SRFN-TRAN-SFP+SRIFN-TRAN-SFP+LRFN-TRAN-SFP+LRI
規格10GBase-SR10GBase-SR10GBase-LR10GBase-LR
波長850nm850nm1310nm1310nm
ファイバマルチモードマルチモードシングルモードシングルモード
伝送距離300m(OM3)
550m(OM4)
300m(OM3)
400m(OM4)
10km10km
コネクタデュプレックス LCデュプレックス LCデュプレックス LCデュプレックス LC
消費電力600mW1W 未満850mW1W 未満
動作温度0〜70℃−40〜85℃0〜85℃−40〜85℃
デジタルモニタリング対応対応対応対応

出典:Fortinet Transceivers Data Sheet(2026年5月26日版)の仕様表

注意したいのは、同じデータシートの発注情報(Ordering Information)の説明文に、仕様表と異なる温度が書かれている点です。発注情報では FN-TRAN-SFP+SR が「−40〜85℃」、FN-TRAN-SFP+LR が「0〜70℃」となっています(仕様表は SR が 0〜70℃、LR が 0〜85℃)。温度条件の厳しい場所では、どちらの欄でも −40〜85℃ となっている SRI / LRI を選ぶのが確実です。

OM4 での距離の書き方も、メーカーによって異なります。Cisco のデータシートでは、10GBASE-SR の OM4 は 400m です。OM4 で 400m を超える距離を組む場合は、リンクバジェットで余裕を確認します。

FortiGate に認証外のトランシーバを挿すとどうなるか

Fortinet の Technical Tip「Transceiver not certified by Fortinet」(2024年7月)は、認証外のトランシーバを使った場合の影響を次のように説明しています。

FortiGate に Fortinet 認証外のトランシーバを挿したときの扱いの図。ファームウェア内の認証リストと照合し、認証外の場合は GUI に警告が出る。多くの場合は通信できるが動作保証はなく、TAC はサポートに認証品の装着を求めることがある
図:FortiGate に認証外のトランシーバを挿したときの扱い(Fortinet Technical Tip より作成)
  • ファームウェアに認証リストがある — FortiGate のファームウェアには、Fortinet 認証トランシーバのリストが含まれています。
  • GUI に警告が出る — 装着したトランシーバが認証外の場合、GUI に警告メッセージが表示されます。
  • 多くの場合は通信できる — 認証外のトランシーバでも、多くの場合はリンクが確立し、通信できるとされています。
  • ただし動作の保証はない — 認証外のトランシーバの動作を Fortinet は保証できず、TAC はそれを検証できません。サポートを受けるために、認証品への交換を求められることがあります。

起こりうる症状としては、固定設定にしてもリンクが上がらない、リンクは上がっているように見えても通信できない、オートネゴシエーションが失敗する、ヘルスチェック系のコマンドに出力が出ない、が挙げられています。リンクが上がらない場合の多くは対向側とのトランシーバの相性によるもので、両端を同じモデル・型番にそろえると切り分けに役立つ場合があるとされています。

認証リストの確認方法

別の Technical Tip「How to check the list of certified transceivers supported by the FortiGate」(2024年9月)では、FortiGate 上の REST API で認証リストを確認する方法が紹介されています。

https://<FortiGate の IP または FQDN>/api/v2/static/fortinet_certified_transceivers.json

  • リストで確認できるのは、認証品の型番とメーカーです。
  • リストはファームウェアに組み込まれていて、FortiGuard では更新されません。
  • 機種ごとに絞り込まれていない全体のリストです。物理的に装着できるかは、機種ごとに確認します。
  • ログインしていない状態ではアクセスできません。

互換モジュールを選ぶときの考え方

  • TAC での切り分けをどう扱うか決めておく — 認証外のトランシーバは TAC の検証対象外になります。保守を重視する拠点では認証品を使うか、切り分け用に認証品を手元に置く運用が考えられます。
  • 規格と温度をそろえる — 対向とは 10GBASE-SR 同士・同じファイバ種別でそろえ、設置場所の温度に合ったものを選びます。
  • デジタルモニタリング(DDM)に対応しているか — 受信光パワーや温度を確認できると、障害時の切り分けが早くなります(DDM活用入門)。
  • 警告が出ることを運用担当者と共有しておく — 互換品では GUI に警告が出ることがあるため、事前に伝えておくと現場での混乱を防げます。

VREN の 10GBASE-SR・10GBASE-LR は IEEE 802.3ae 準拠・DDM 対応で、動作温度は 0〜70℃(製品仕様)です。製品ページの対応表にあるとおり、Fortinet 機向けのコーディング(FN-TRAN-SFP+SR / FN-TRAN-SFP+LR 互換)でもご用意できます。互換品は Fortinet の認証品ではないため、警告の表示や TAC の扱いについては上記の点をご理解のうえでご検討ください。

装着先の機種名と FortiOS のバージョンをお知らせいただければ、適合を確認してご案内します。評価用サンプルは無料です。

よくある質問

警告が出ていても通信できる?

Fortinet の Technical Tip では、認証外のトランシーバでも多くの場合はリンクが確立し、通信できるとされています。ただし動作は保証されず、サポートを受ける際に認証品の装着を求められることがあります。

FG-TRAN-SFP+SR という型番との違いは?

2026年5月26日版のデータシートに載っている SFP+ の 10G SR は、FN-TRAN-SFP+SR と FN-TRAN-SFP+SRI です。FG-TRAN-SFP+SR は掲載されていません。見積書などで FG-TRAN-SFP+SR を見かけた場合は、現行品の型番を販売店に確認してください。

認証リストは自動で更新される?

されません。リストはファームウェアに組み込まれていて、FortiGuard では更新されないと説明されています。

まとめ

  • FN-TRAN-SFP+SR は 10GBASE-SR(850nm・マルチモード)。仕様表では OM3 で 300m、OM4 で 550m、動作温度 0〜70℃。
  • 仕様表と発注情報で温度の記載が異なるため、厳しい温度条件では SRI / LRI を選ぶ。
  • 認証外のトランシーバは GUI に警告が出る。多くの場合は通信できるが、動作保証はなく、サポートには認証品の装着を求められることがある。
  • 認証リストは REST API(/api/v2/static/fortinet_certified_transceivers.json)で確認できる。

参考資料

本記事は Fortinet, Inc. が公開しているデータシート(2026年5月26日版)と Technical Tip(2024年)に基づく一般的な技術情報です。仕様・対応機種・サポート方針は変更される場合があります。導入前に Fortinet の最新情報をご確認ください。記載の社名・製品名は各社の商標です。