見積書や保守部品のリストに「SFP-10G-SR-S=」とあり、手元の SFP-10G-SR と同じものなのか迷う——Cisco の 10G 光モジュールでは、よくある場面です。型番の違いは末尾の数文字ですが、意味を知っておけば、発注の取り違えや不要なコスト増を防げます。本稿では Cisco が公開しているデータシートをもとに、SR 系4型番の違いと選び方を整理します。
= はスペア(単品)として発注するときの品番表記です。モジュールそのものは同じです。
Cisco の光モジュールの型番は、左から順に意味が並んでいます。SFP-10G-SR-S= を分解すると次のとおりです。
-S と同じ位置には、-X(拡張温度)や -I(産業用温度)が付く型番もあります。4つを並べると違いがはっきりします。
| 型番 | 動作温度 | データシート上の対応 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| SFP-10G-SR-S | 0〜70℃ | 10GBASE-SR(Ethernet 専用) FCoE 非対応と明記 | 空調のある室内の LAN・データセンター |
| SFP-10G-SR | 0〜70℃ | 10GBASE-SR | FCoE を使う構成 |
| SFP-10G-SR-X | −5〜85℃ | 10GBASE-SR / 10GBASE-SW / OTU2e(マルチレート) | 屋外盤・非空調の設置場所、OTN |
| SFP-10G-SR-I | −40〜85℃ | 10GBASE-SR / 10GBASE-SW / OTU2e、CPRI | 産業用途・無線基地局など |
4型番とも光学仕様は共通で、波長 850nm、OM3 で 300m、OM4 で 400m、消費電力は 1W です。古い OM1 では 33m、OM2 では 82m まで短くなります。ファイバ種別ごとの距離の考え方は「SFP-10G-SR 互換モジュール選定ガイド」で解説しています。
見落としやすいのは、SR(-S なし)と SR-S の動作温度は同じ 0〜70℃ という点です。「S-Class は温度範囲が狭い廉価版」と説明されることがありますが、Cisco のデータシート上、温度範囲が広いのは -X(−5〜85℃)と -I(−40〜85℃)です。温度条件の厳しい場所で選ぶべきなのは、-S なしの SR ではなく -X / -I です。
3点とも当てはまらない一般的な企業ネットワークやデータセンターの Ethernet 接続なら、SR-S で要件を満たせます。純正品では、機能を Ethernet に絞った S-Class のほうが -S なしより価格が抑えられているのが一般的です。
なお、どの型番がどの機種・OS バージョンで使えるかは、Cisco が互換性マトリクス(Cisco 10 Gigabit Ethernet Transceiver Modules Compatibility Matrix)で型番ごとに公開しています。長く更新していない OS では、後から追加された型番が対応リストにないこともあるため、導入前に確認しておくと安心です。
Cisco の品番の末尾に付く = は、スペア(単品)として発注する場合の表記です。スイッチ本体と一緒に構成品として発注するときは、= の付かない品番が使われます。物理的な製品は同じで、SFP-10G-SR-S= と SFP-10G-SR-S、SFP-10G-SR= と SFP-10G-SR は、それぞれ同一品です。
保守部品のリストや見積書では、両方の表記が混在しがちです。型番で調べるときは = を外して検索すると、目的の情報にたどり着きやすくなります。
「-S は Ethernet 専用で FCoE 非対応」という整理は、10G の SFP+ に限った話です。
SFP-10/25G-CSR-S、SFP-10/25G-LR-S という 10G/25G 両対応の型番です。25G のデータシートでは、これら3型番は「ホスト側ソフトウェアの対応を前提に FCoE をサポート」と記載されています。QSFP-40G-SR4-S は 4×10G のブレイクアウトと FCoE に非対応、QSFP-40G-LR4-S は FCoE 非対応とされています。ブレイクアウトで使う予定があるなら -S なしを選びます。QSFP-100G-SR4-S のように -S 付きの型番がありますが、仕様の差は世代・製品ごとにデータシートで確認が必要です。10G-SFPP-SR-S も 10GBASE-SR の SFP+ ですが、Cisco の S-Class とは別メーカーの型番です。末尾が同じ -S でも、意味はメーカーごとに異なります。他社型番との対応関係は「光トランシーバ メーカー型番 相互対応表」にまとめています。
SR と SR-S は光学的に同じなので、互換モジュールでも中身の光学部品は共通です。違いが出るのは、スイッチにどの型番として認識させるか——モジュール内の EEPROM に書き込むコーディングです。
VREN の SFP-10G-SR-S 互換モジュールは、全数検査・5年保証・先行交換に対応しています。型番の適合確認と評価用サンプルは無料です。
はい。どちらも 10GBASE-SR 準拠なので、片側が SR、もう片側が SR-S でもリンクします。
到達距離や送受信のパワー範囲といった光学性能は同じです。違いは FCoE 非対応などの対応範囲で、Ethernet 用途で使う限り性能差はありません。
どちらも動作温度は 0〜70℃ です。温度管理のない場所では、拡張温度の -X か、産業用温度の -I を検討してください。