屋外の収容盤や空調のない機械室に 10G の光リンクを引くとき、見積書や機器構成に「SFP-10G-SR-X」「SFP-10G-SR-I」という型番が出てくることがあります。SFP-10G-SR と何が違い、どちらを選べばよいのか。Cisco が公開しているデータシートをもとに整理します。
| 型番 | 温度区分 | 動作温度 | 対応する信号 | 消費電力 |
|---|---|---|---|---|
| SFP-10G-SR-S | COM | 0〜70℃ | 10GBASE-SR(FCoE 非対応) | 1W |
| SFP-10G-SR | COM | 0〜70℃ | 10GBASE-SR | 1W |
| SFP-10G-SR-X | EXT | −5〜85℃ | 10GBASE-SR / 10GBASE-SW / OTU2e (バージョン 1 は 10GBASE-SR のみ) | 1W |
| SFP-10G-SR-I | IND | −40〜85℃ | 10GBASE-SR / 10GBASE-SW / OTU2e CPRI(レートオプション 3〜8) | 1W |
SR と SR-S の違い(FCoE への対応)は「SFP-10G-SR-S とは」で解説しています。本稿では温度の違いに絞って見ていきます。
Cisco のデータシートは、光モジュールの動作温度を次の3つに区分しています。
| 区分 | 名称 | 動作温度 |
|---|---|---|
| COM | Commercial(商用温度) | 0〜70℃ |
| EXT | Extended(拡張温度) | −5〜85℃ |
| IND | Industrial(産業用温度) | −40〜85℃ |
保管温度はどの区分も −40〜85℃ で共通です。差が出るのは動作中の範囲で、EXT は COM より上限が 15℃ 高く、下限も −5℃ まで広がります。IND は下限が −40℃ まで下がります。
判断で気をつけたいのは、モジュールが置かれる場所はスイッチの筐体の中だという点です。ポートの周辺は機器自身の発熱で室温より高くなりやすく、屋外盤では日射でさらに上がります。外気温ではなく、夏と冬に盤内の温度がどこまで振れるかを基準に区分を選びます。
EXT・IND の型番は SR だけではありません。データシートで EXT・IND に区分されている 10G の型番は次のとおりです。
| 型番 | 区分 | 規格・用途 |
|---|---|---|
| SFP-10G-SR-X | EXT | 10GBASE-SR / SW、OTU2e(マルチモード) ※バージョン 1 は 10GBASE-SR のみ |
| SFP-10G-LR-X | EXT | 10GBASE-LR / LW、OTU2e(シングルモード) |
| SFP-10G-T-X | EXT | 10GBASE-T(CAT6A ケーブル、30m まで) |
| SFP-10G-SR-I | IND | 10GBASE-SR / SW、OTU2e、CPRI(マルチモード) |
| SFP-10G-LR10-I | IND | 10GBASE-LR、CPRI(シングルモード) |
| SFP-10G-ER-I | IND | 10GBASE-ER / EW、OTU2e(シングルモード) |
| SFP-10G-ZR-I | IND | 10GBASE-ZR / ZW、OTU2e(シングルモード) |
| SFP-10G-BXD-I / BXU-I | IND | 1芯双方向(BiDi)・10km、CPRI(バージョン -02 が対応) |
| SFP-10G-BX40D-I / BX40U-I | IND | 1芯双方向(BiDi)・40km |
消費電力は、SR-X・SR-I・LR-X・LR10-I が 1W、ER-I が 1.5W、ZR-I が 2W、銅線の T-X が 2.5W です。型番を探すときに見落としやすいのは、次の2点です。
あわせて、スイッチ本体の動作温度も確認してください。モジュールだけを温度品にしても、装着する機器の仕様範囲を超える場所では使えません。どの機種・OS バージョンでどの型番が使えるかは、Cisco が互換性マトリクスで型番ごとに公開しています。
Cisco の SFP+ は、業界標準の SFF-8472 に準拠したデジタル光モニタリング(DOM / DDM)に対応しています。モジュール内部の温度・電源電圧・バイアス電流・送受信の光パワーを、スイッチから読み出せます(多くの機種で show interfaces transceiver)。
盤内の温度が分からない場合は、今使っているモジュールの温度を夏場に記録してみるのが確実です。しきい値の考え方は「DDM活用入門」で解説しています。
VREN の 10GBASE-SR(SFP-10G-SR 互換・SFP-10G-SR-S 互換)は、動作温度 0〜70℃ の商用温度品です。屋外盤など温度条件のある場所でお使いの場合は、設置場所の想定温度と装着先の機種名を互換性確認窓口にお知らせください。対応できる製品をお調べしてご案内します。
どちらも 10GBASE-SR なので、Ethernet として使う場合は、片側が SR-X、もう片側が SR や SR-S でも規格上は対向接続できます。温度区分は、それぞれのモジュールが置かれる場所に合わせて選びます。
使えます。EXT(−5〜85℃)は COM(0〜70℃)の範囲を含んでいます。ただ、空調のある室内であれば COM の SR / SR-S で要件を満たせます。
スペア(単品)として発注するときの品番表記で、モジュールそのものは SFP-10G-SR-X と同じです。詳しくは「SFP-10G-SR-S とは」で解説しています。
同じです。データシートの距離表では SR・SR-S・SR-X・SR-I がまとめて記載されており、OM3 で 300m、OM4・OM5 で 400m、OM2 で 82m、OM1 で 33m です。ファイバ別の考え方は「SFP-10G-SR 互換モジュール選定ガイド」で解説しています。