SFP-10G-SR 互換モジュール選定ガイド — SR / SR-S の違いと「OM3・OM4で何メートル届くか」

2026.07.24|選定ガイド|潤徳商事株式会社

10Gのデータセンター内配線で最も多く使われているのが SFP-10G-SR です。安価で消費電力も低く、ラック内・ラック間の標準的な選択肢ですが、実際の調達では「SR-Sとは何が違う?」「うちのファイバで何メートル届く?」「他社スイッチの型番だとどれ?」といった疑問が必ず出てきます。本稿では規格の基本から互換モジュール選定の勘所までを整理します。前回のSFP-10G-LR編と合わせてご覧ください。

10GBASE-SRのファイバ種別ごとの到達距離を比較した図。OM1は33m、OM2は82m、OM3は300m、OM4は400m。共通仕様は波長850nm・マルチモード・LCデュプレックス・DDM対応
図:10GBASE-SR のファイバ別到達距離(IEEE 802.3ae 規定値)

10GBASE-SRの基本 — 波長850nm・マルチモード

SFP-10G-SRが準拠する10GBASE-SRは、IEEE 802.3aeで定められた10ギガビットイーサネットの短距離仕様です。物理仕様は次のとおりです。

  • 波長:850nm(LRの1310nmとは異なります)
  • ファイバ:マルチモード(MMF)。シングルモードでは使えません
  • コネクタ:LCデュプレックス/DDM対応/消費電力は約1W
  • 到達距離:ファイバ種別によって変わる — ここが最大のポイントです

「何メートル届くか」はファイバで決まる

SRの到達距離を一律「300m」と覚えている方が多いのですが、正確にはファイバのグレードによって大きく変わります。同じモジュールでも、既設ファイバがOM1かOM3かで10倍近い差が出ます。

  • OM1(62.5/125μm):33m — 古い構内配線に多く、SRでは極端に短くなります
  • OM2(50/125μm):82m — フロア間程度なら可
  • OM3(50/125μm):300m — データセンターの標準。SRの実力を発揮できます
  • OM4(50/125μm):400m — 最長。大規模DCの棟間などに

導入前に必ず既設ファイバの種別をご確認ください。ファイバ側の選び方は「光ファイバの選び方」で詳しく解説しています。

SFP-10G-SR と SFP-10G-SR-S の違い

Ciscoの型番には標準の SFP-10G-SR と、S-Classと呼ばれる SFP-10G-SR-S があります。LR系と同じ考え方で、光学仕様(850nm・OM3で300m)は両者とも同一です。違うのは付加機能で、SR-Sは拡張温度範囲やFCoEなど一部機能を省いてコストを下げた廉価版という位置づけです。一般的なデータセンター・企業ネットワークのイーサネット用途であれば、多くの場合SR-S相当で要件を満たせます。

SRで距離が足りないときの選択肢

既設ファイバがOM1・OM2で距離が届かない、あるいは300mを超える区間がある場合の選択肢は3つです。

  • SFP-10G-LRM(220m) — 既設のOM1/OM2マルチモードを敷き替えずに距離を伸ばせます。古い構内配線の救済策として有効です。
  • SFP-10G-LR(10km) — シングルモードへの敷設替えが前提ですが、拠点間・ビル間なら本命です。
  • ファイバの敷設替え(OM3/OM4へ) — 将来25G・40Gへ上げる予定があるなら、この機会に更新するのが結果的に安く済みます。

他社メーカーの対応型番

10GBASE-SRはIEEEの共通規格なので、各社から同等品が出ています。代表的な対応型番は次のとおりです。

  • Cisco:SFP-10G-SR / SFP-10G-SR-S
  • HPE / Aruba:J9150A / J9150D / 455883-B21
  • Juniper:EX-SFP-10GE-SR / SFPP-10GE-SR
  • Arista:SFP-10G-SR / Brocade(Ruckus):10G-SFPP-SR
  • NVIDIA(Mellanox):MFM1T02A-SR / Fortinet:FN-TRAN-SFP+SR
  • NETGEAR:AXM761 / アライドテレシス:AT-SP10SR / ヤマハ:YSFP-10G-SR

ただし多くのスイッチはモジュールのEEPROM情報(ベンダーID)を確認するため、他社向けコーディングのモジュールをそのまま挿しても認識されない場合があります。機種をまたいで使う場合は、それぞれの機種に合わせたコーディングでご用意ください。

互換モジュール選定の注意点

互換SRモジュールは純正品の数分の一で調達できますが、確認すべき点は変わりません。①機種に合わせたコーディング指定が可能か、②DDM対応か、③認証・製造品質の裏付け、④保証と初期不良対応、⑤日本語サポートの有無 — 詳しくは「互換光トランシーバ選定の5つのチェックポイント」をご覧ください。

VELRAのSFP-10G-SR互換モジュールは、850nm・OM3で300m・DDM対応。主要メーカー向けのコーディングでご用意し、全数検査・3年保証・国内サポートでお届けします。既設ファイバの種別が分からない、距離が届くか判断したい — そうしたご相談も歓迎です。

本記事は一般的な技術情報の提供を目的としており、特定の構成での動作を保証するものではありません。到達距離は規格上の最大値であり、実際の敷設状況により短くなる場合があります。型番の対応可否は機種・OSバージョンにより異なります。記載の社名・製品名は各社の商標です。