光トランシーバ規格早見表 — 10G / 25G / 40G / 100G の距離・波長・ファイバ一覧

2026.08.21|選定ガイド|潤徳商事株式会社

光トランシーバは、速度(10G / 25G / 40G / 100G)と規格(SR / LR / ER など)の組み合わせで型番が決まります。ただ、速度が上がるほど規格名が増え、同じ「SR」でも速度によって距離が変わるため、全体像がつかみにくくなります。本稿では4速度を1枚にまとめた早見表を用意し、そこから選定手順まで整理します。

規格早見表 — 4速度をまとめて

まず全体像です。この表があれば、型番から仕様を逆引きできます。

10G・25G・40G・100Gの光トランシーバ規格を波長・ファイバ種別・最大距離・コネクタで比較した早見表。SR/LRM/LR/ER/ZR/BiDi/T、SR4/CSR4/LR4、CWDM4などを網羅
図:光トランシーバ 規格別 早見表(10G / 25G / 40G / 100G)

選定の手順 — 3ステップで決まる

表を眺めるより、次の順で絞り込むほうが早く決まります。

  • ① 既設ファイバを確認する — マルチモード(MMF)ならSR系、シングルモード(SMF)ならLR系。ここで候補が半分に絞れます。ファイバがまだ無いなら、将来の高速化を見据えてSMFを選ぶのが無難です。
  • ② 必要な距離を測る — 表の「最大距離」列と突き合わせます。ただし規格値は上限なので、コネクタ数が多い経路では余裕を見てください。
  • ③ 数メートルならケーブル型を検討 — ラック内であればDAC(銅線)やAOC(光ファイバ一体型)のほうが安く、消費電力も抑えられます。

速度が上がると距離が縮む — マルチモードの注意点

表で見落としやすいのが、同じOM3ファイバでも速度によって距離が変わる点です。

  • 10GBASE-SR:OM3で 300m
  • 25GBASE-SR:OM3で 70m
  • 100GBASE-SR4:OM3で 70m

10Gで300m届いていた区間が、25Gに上げた途端に届かなくなる — これは実際によくある落とし穴です。距離が足りない場合は、25GならCSR(OM3で300m)、40GならCSR4(OM4で400m)といった拡張規格が選択肢になります。10Gから25Gへの移行を検討中の方は特にご注意ください。

40G・100Gの「4波長」— LR4とCWDM4

40Gと100Gの長距離規格には「4」が付きます。これは4つの波長を1本のファイバに多重していることを表します。

  • LR4(40G / 100G)— 1310nm帯の狭い間隔(LAN-WDM)で4波長を使い、Duplex LCのシングルモードで10kmを伝送します。
  • CWDM4(100G)— 1271〜1331nmの広い間隔で4波長を使う MSA仕様。到達距離は2kmと短い代わりに、LR4より低コスト・低消費電力です。同一敷地内の棟間接続などに向きます。
  • SR4(40G / 100G)— こちらは波長多重ではなく、MPO-12コネクタで4本の光ファイバを並列に使う方式です。LC 2芯ではなくMPO配線が必要になります。

SR4とLR4はコネクタも配線も異なるため、直接つなぐことはできません。波長の考え方は「光トランシーバの波長早見表」で詳しく解説しています。

距離が足りない・多すぎるときの選択肢

  • MMFで距離が足りない → 10Gなら LRM(220m)、25Gなら CSR(300m)、40Gなら CSR4(400m)
  • 10kmを超える → ER(40km)または ZR(80km)。いずれもシングルモード専用です。
  • ファイバの芯数が足りない → BiDi(単芯双方向)。1芯で上り下りを通すため、配線本数を半分にできます。必ずU側とD側をペアでご使用ください。
  • 距離が近すぎる → ERやZRを短距離で使うと光が強すぎてエラーになります。光アッテネータで減衰させてください(光レシーバの選定ガイド参照)。

DAC と AOC — ラック内はケーブル型が有利

5m以内であればDAC(パッシブ銅線)が最も経済的です。消費電力はほぼゼロ、遅延も最小。30mまでならAOC(光ファイバ一体型)が、DACより細く軽量で取り回しに優れます。どちらも両端のコーディングが必要なので、接続する2台の機種をお知らせください。詳しくは「DAC・AOC・光トランシーバの違いと選び方」をご覧ください。

VELRAでは本記事の表に掲載した規格を 10G〜100Gの製品ラインナップ として取り揃えています。全数互換テスト・3年保証・国内サポート、主要メーカー向けのコーディング指定に対応。「この距離・このファイバならどれを選ぶべきか」といったご相談も歓迎です。

本記事は一般的な技術情報の提供を目的としており、特定の構成での動作を保証するものではありません。距離は規格上の最大値であり、実際の敷設状況・コネクタ数により短くなります。ZR・CSR・CWDM4 はIEEE規格ではなくベンダー仕様/MSA仕様です。記載の社名・製品名は各社の商標です。