「Cisco の LR は何 nm?」「SR と LR で光の色が違うと聞いたが、混ぜて使えないのか?」— 光トランシーバの調達では、波長にまつわる質問が頻繁に出てきます。波長は単なるスペック値ではなく、使えるファイバの種類と到達距離を決める根幹です。本稿では主要3波長を早見表として整理し、型番から波長を見分けるコツまでまとめます。
先に答えを書きます。イーサネット系の光トランシーバは、型番の末尾のアルファベットで波長がほぼ判別できます。
つまり「Cisco SFP-10G-LR は何 nm か」の答えは 1310nm です。同じ10Gでも SFP-10G-SR なら 850nm になります。
データセンター内でもっとも多く使われる帯域です。マルチモードファイバ(MMF)とセットで使い、光源には安価な VCSEL(面発光レーザー)が使えるため、モジュール単価を低く抑えられます。
ファイバ側の等級による違いは「光ファイバの選び方」で詳しく解説しています。
拠点間・ビル間など、SR では届かない距離の標準的な選択肢です。この帯域はファイバの波長分散がほぼゼロになる領域で、長距離伝送に適しています。
ここに一つ例外があります — 10GBASE-LRM は 1310nm でありながらマルチモード用(最大220m)です。古い OM1 / OM2 配線を敷き替えずに 10G 化したいときの救済策として設計されたもので、「1310nm=シングルモード」と覚えていると取り違えます。
ファイバの伝送損失が最小になる帯域です。1310nm より遠くまで光が届くため、40km を超える長距離で使われます。
なお長距離用モジュールを近距離で使うと、光が強すぎて逆に通信できないことがあります。この点は「光レシーバの選定ガイド」で解説しています。
もっとも基本的で、それゆえ見落とされやすいルールです。ファイバの両端に挿すモジュールは、同じ波長・同じ規格でなければ通信できません。SR(850nm)と LR(1310nm)を対向させてもリンクは上がりません。メーカーが違っても規格が同じなら対向可能ですが、逆に同じメーカーでも規格が違えば通信できない — 判断の軸はメーカーではなく規格です。
例外的に、BiDi(単心双方向)モジュールは上りと下りで異なる波長(例:1310nm / 1550nm)を使い、1 本のファイバで双方向通信を行います。この場合は対向側と波長の組み合わせが逆になったペアで使う必要があります。
ファイバの敷設本数を増やさずに容量を増やす方法が波長多重です。
いずれも「何 nm のモジュールか」が型番で厳密に指定されるため、既設設備の波長プランと突き合わせて発注する必要があります。
VELRA では 850nm 帯の SFP-10G-SR・SFP-25G-SR-S、1310nm 帯の SFP-10G-LR・SFP-10G-LRM などをご用意しています。SR と LR の使い分けはこちらの記事もあわせてご覧ください。「既設ファイバの種別が分からない」「この距離ならどれを選ぶべきか」といったご相談も承ります。