サーバーやスイッチの SFP+ スロットに挿して、光ファイバではなく LAN ケーブル(RJ45)で 10G をつなぐのが、10GBASE-T の SFP+ モジュールです。30m 以内(品種によっては 80m)なら既設の Cat6A の配線を使える一方、光のモジュールとは違う注意点があります。Fortinet・Cisco・MikroTik が公開している資料をもとに整理します。
SFP+ スロットに挿し、モジュールの RJ45 に LAN ケーブル(ツイストペアの銅線)をつなぎます。装着先が対応していれば、光ファイバや光のモジュールを使わずに、SFP+ スロットしかない機器を Cat6A の配線で 10G 接続できます。主なモジュールの仕様は次のとおりです。
| 項目 | Fortinet FN-TRAN-SFP+GC | Fortinet FN-TRAN-SFP+GC-T80 | Cisco SFP-10G-T-X | MikroTik S+RJ10 |
|---|---|---|---|---|
| 10G での距離 | 30m (Cat6A 以上) | 80m (Cat6A 以上) | 30m (Cat6A / Cat7 以上) | 30m |
| 対応速度 | 10Gbps (仕様表の記載) | 10Gbps (仕様表の記載) | 100M / 1G / 10G | 10M / 100M / 1G / 2.5G / 5G / 10G |
| 消費電力 | 2.5W | 1.88W | 最大 2.5W (10G 時) | 平均 2.7W (10GBASE-T・30m) |
出典:Fortinet Transceivers Data Sheet(2026年5月26日版)、Cisco「10GBASE SFP+ Modules Data Sheet」「SFP+ 10GBASE-T Transceiver FAQ」、MikroTik「S+RJ10」製品ページ・「S+RJ10 general guidance」
規格上の 10GBASE-T(IEEE 802.3an)は、Cat6A(Class EA)で 100m まで届きます。非シールド(UTP)の Cat6 では 55m が目安で、エイリアンクロストーク(隣接するケーブルなどからの干渉)が最も厳しい条件(ケーブルを束ねた場合)では 37m に制限されることがあるとされています(Cisco のホワイトペーパー)。
一方、SFP+ 型のモジュールは 10G で最大 30m の製品が中心です。Cisco の SFP-10G-T-X と Fortinet の FN-TRAN-SFP+GC はどちらも Cat6A 以上で 30m、MikroTik の S+RJ10 も 10Gbps では 30m までです。Fortinet には 80m に対応した FN-TRAN-SFP+GC-T80 もあります。
10GBASE-T のモジュールは、光のモジュールより消費電力が大きくなります。FN-TRAN-SFP+GC は 2.5W、SFP-10G-T-X は最大 2.5W、S+RJ10 は平均 2.7W で、光の FN-TRAN-SFP+SR(600mW)や MikroTik の光モジュール S+85DLC03D(最大 0.8W)の数倍です。
Cisco・MikroTik の資料のように、装着できる数や位置が決められていることがあります。装着先の機種のガイドで、挿せるポートの数と位置を先に確認します。
10GBASE-T のモジュールが対応する速度は、製品によって異なります。
| モジュール | 対応速度 |
|---|---|
| Fortinet FN-TRAN-SFP+GC / GC-T80 | 10Gbps(データシートの仕様表の記載) |
| Cisco SFP-10G-T-X | 100M / 1G / 10G |
| MikroTik S+RJ10 | 10M / 100M / 1G / 2.5G / 5G / 10G |
| VREN SFP-10G-T-30 / SFP-10GM-T-30 | 1G / 2.5G / 5G / 10G(マルチレート) |
対向とつながる速度は、モジュールが対応する速度の中から決まります。さらに Cisco の FAQ では、装着先(ホスト)側の制限によって一部の速度しか使えない場合があるとしています。古いサーバーの 1G の NIC や、2.5G / 5G のマルチギガ(NBASE-T)の機器とつなぐ場合は、その速度に対応したモジュールかどうかと、装着先での対応状況を確認します。
Fortinet のデータシートに載っている RJ45 のモジュールのうち、10G は FN-TRAN-SFP+GC(30m)と FN-TRAN-SFP+GC-T80(80m)、1G は FN-TRAN-GC(100m)です(ほかに 100M の FN-TRAN-FE もあります)。データシートでは、いずれもデジタルモニタリング(DDM)に非対応とされています。動作温度は FN-TRAN-SFP+GC / GC-T80 が −5〜85℃ です。
ほかの型番は「FortiGate 用トランシーバの型番一覧」にまとめています。
VREN では、10GBASE-T の SFP+ モジュールとして SFP-10G-T-30 と SFP-10GM-T-30 を扱っています。どちらも 1G / 2.5G / 5G / 10G のマルチレートに対応しています(製品仕様)。
| 項目 | SFP-10G-T-30 / SFP-10GM-T-30 |
|---|---|
| 規格 | IEEE 802.3an / 802.3bz |
| 対応速度 | 1 / 2.5 / 5 / 10Gbps(マルチレート) |
| ケーブル・距離 | Cat6a / Cat7 で 30m |
| 消費電力 | 2.5W 以下 |
| 動作温度 | 0〜70℃ |
| 保証 | 5年 |
対向が 1G や 2.5G / 5G の機器でも、モジュール側はこれらの速度に対応しています。実際につながる速度は、装着先の機種でも確認してください。動作温度は 0〜70℃ で、FN-TRAN-SFP+GC や SFP-10G-T-X(−5〜85℃)より狭い範囲です。消費電力が大きい点はほかの 10GBASE-T モジュールと同じなので、装着するポートの数と位置は上の注意点に沿って決めてください。装着先の機種名をお知らせいただければ、適合を確認してご案内します。評価用サンプルは無料です。
Cisco・Fortinet の仕様では、10G で使うケーブルは Cat6A 以上です。規格上の 10GBASE-T でも、非シールド(UTP)の Cat6 の距離は 55m が目安で、ケーブルを束ねた最も厳しい条件では 37m に制限されることがあるとされています。SFP+ 型のモジュールで Cat6 を使う場合は、メーカーに確認してください。
モジュールによります。Cisco の SFP-10G-T-X は 100M / 1G / 10G に対応しますが、Fortinet の FN-TRAN-SFP+GC はデータシートのデータレートが 10Gbps のみの記載です。VREN の SFP-10G-T-30・SFP-10GM-T-30 は、どちらも 1G に対応しています(製品仕様)。
既設の LAN ケーブル(Cat6A 以上)を使えるので、短い距離なら光ファイバを敷設せずに 10G でつなげます。一方で、10G での距離は最大 30m の製品が中心で、消費電力も光の SR(OM3 で 300m、FN-TRAN-SFP+SR は 600mW)より大きくなります。